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日々の暮らしを愉しむ

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【夏の思い出】

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大きなやかんで作って、大きなたらいにいつも冷やしておいてある
麦茶を飲んで、近所の鍛冶屋さんの前で行われていた
ラジオ体操に参加するのが、夏の朝の始まり。

”みどりのカーテン”と今年はやたらと話題になっているが
私の生まれ育った谷中にはどこのうちにでも朝顔と簾が
自然とカーテンになっていた。

家の外にビニールプールを膨らましてもらって
みんなで水遊びしたり、赤ちゃんは前の日のお風呂の残り湯で
行水させてもらっていた。

お昼はお肉屋さんで揚げものを買ってきたり、
お素麺だったり、おむすび屋さんでおむすびを買ってきたり
(我が家はパンが主食だったのでごはんをあまり必要と
 しなかった)
お稲荷屋さん(稲荷寿司だけ売っているおみせが谷中には
いまだに存在している)など手をかけないものが
多かったように記憶している。

夕方前から誰からともなく軒先に打ち水をし始める。
もちろん、自分の家の前だけでなく、
お互いに”向こう3軒両隣”が常識。

大きなバケツにお水をたっぷり入れて
ひしゃくでバシャーンと弧を描くように・・・

私の母が子供の頃には近所には映画館がたくさんあって
TVのないころは毎日夕飯後に映画館に祖母と
出かけていたようだ。

そこで”ニュース映画”を最初に見て
毎日見に行くのだから安くて、
今のTVを見る感覚のように色々な演目があったのだろうか?

そして眠りに落ちる頃、
遠くに扇風機を回しながら、私が眠ってしまうまで
祖母がよく団扇でやさしく、やさしくあおいでくれた感覚を
今でもはっきりと覚えている。

今、あおいでくれる祖母は25年も前に
私の目の前からいなくなってしまったが
今、自分で自分をその感覚を思い出しながらあおいでみると
すごくやさしい風を感じる。
こんな風に家族に大切にされて私は育ったんだな、と
夏になるといろんなシーンごとに思い出してしまうのだ。
by mignon0701 | 2011-07-21 09:19