2011年 11月 10日
本を読んで涙する
私が本を購入するときは
最初の書き出しの1行を読み、
俗に言う”ファーストインプレッション”で購入する場合が多い。
先日、久坂葉子の”幾度目かの最期”を手に取った。
彼女は自分の生い立ちの重圧に耐えながらも
でも、何度も自殺未遂をはかって
21歳の若さで鉄道自殺してしまう・・・
「アタマが良すぎたんでしょう。」
と言ってしまえばそれまでかもしれない。
彼女の作品の中で自殺未遂して病室にいるときに
周りの人から”どうか生きて下さい”というメッセージを
たくさんもらっていたくだりがあった。
そこで涙が止まらなくなってしまって、
今、もし彼女が生きていたとしたら
どんな素晴らしい作品が読めたのだろうか?
と思うと彼女の死が悔やまれる。
世の中には病や事故などで死にたくなくても
向こうから死に連れていかれていってしまう人が多い。
そんな中、自ら死を選ぶことって
しかも、それを実行に移すってものすごい勇気のいること。
かと言って私はそれを肯定はしないが・・・
名文を残したまま命を絶つ作家は昔も今も存在する。
でも、私はやっぱり”私、なんだか死なないような気がするんです”と
かわいらしく言っていた宇野千代さんの方が
より魅力的に映るかな。
とはいえ、久坂葉子の文章は上質でした・・・
by mignon0701
| 2011-11-10 09:06